土壁

土壁の補修をしました。
材料は解体した際にでた土壁を再利用しています。新築の時のように1から用意すると、すさを入れたり発酵させたりと手間がかかるのですが、再利用の場合は水を加えて練るだけで十分です。多めに確保しておいて正解でした。
紐は棕櫚縄を使用しました。面白いことに最初の左官さんは麻縄、次の修繕ではビニール紐が使用されていました。自分の場合は、補修すべき木舞のピッチが所々狭くなっており、麻縄では通しにくそうだし、ビニール紐だと恰好が悪いな、という消極的な選択だったわけですが、三者三様こだわりが感じられます。
f:id:akiyakun:20160201205404j:plain
f:id:akiyakun:20160201205541j:plain
建築史家の藤森照信さんの著書(タイトルは失念しました)で建築材料としての土について興味深い話がありました。「土は思考を吸収する」というものです。
数値化されない材料の魅力にまで触れられており、豊富な話題、広い視野で他の話も大変面白く読ませて頂きました。
土壁といえば吸湿効果がありますなんて宣伝を耳にしますが、湿度だけではなく思考までも吸収するとは。確かに土壁の茶室などでは、思考を活発にするというよりは、思考を停止して心穏やかにすごす、そんなイメージがありますが、読んだ当初は大した実感はありませんでした。
今日は一心不乱に土壁を塗りました、一緒に作業してくれた父も黙々と塗り続けます。なれない重労働に口数が減っただけかもしれませんが、数値化できない建築の魅力に迫れたようで、充実した一日だったと思います。
f:id:akiyakun:20160201205601j:plain

踏み天井

1階の天井を施工しました。(上の写真)
杉板(30㎜)を使用し、2階の床にもなる、踏み天井と呼ばれるものです。
ロフトや納屋などでよく使われます。
ここも元々は納屋だったようで、その名残が残っていました。

仕上げは、拭き漆(3回)です。既存の部分(下の写真)との色合いも馴染んだかなと思います。
f:id:akiyakun:20160129192625j:plain
f:id:akiyakun:20160129194351j:plain

柱補修

柱の根本が見事なまでに腐っていました。補修しなくてはなりません。
しかし、この柱は隅柱(家の角にある柱)で通し柱(1階から2階まで続いている柱)取り換えることは困難で、壁を壊さないことには、継ぐこともできません。
どうしたものかと思い悩んだのですが、エポキシを使って補修することにしました。
最近では、文化財の補修にも用いられているようで、性能を確認したのですが、柱の補修に十分なものだと思います。
f:id:akiyakun:20160126201046j:plain


まず、柱に防腐剤(水性)を塗って乾燥させます。
次に低粘度エポキシ樹脂(写真右)を注入し、既存木部の強度を高めます。
さらに、エポキシパテ(写真左)を練り、形作ります。
最初は、100均の紙粘土みたいだなと思っていたのですが、次の日には石のように固まっており、あとはこれを研磨すれば完成です。
f:id:akiyakun:20160126201325j:plain
f:id:akiyakun:20160126201453j:plain

水仙

現場に水仙の花が咲きました。
花壇のようになっていたので、前の方が育てられていたものだと思います。
20年ほど人が住んでいないはずなのですが、毎年咲き続けていたのかと思うと、感慨深いものがあります。
これからも大切にしていきたいです。
f:id:akiyakun:20160124040846j:plain

下準備

このリフォームの場合、基準にできるようなものがなかったので、まずはレベルで水平の基準を作りました。
それをもとに新設する窓の部分の土壁を解体しました。
いい感じに瀬戸内の島々が見えるなと思うのですが、10分も掛からないくらいで解体できてしまったので、こんな簡単に壊れていいものだろうかと、少々不安になります。

明日は、窓枠を入れたり、竹木舞を編みなおそうかと思います。
f:id:akiyakun:20160122211548j:plain
f:id:akiyakun:20160122212713j:plain

サッシ撤去

解体も粗方終わり、不要なアルミサッシを三か所撤去しました。
日曜日に天気が崩れそうなので、やることはたくさんありますが、なんとかそれまでに形にできればと思います。


f:id:akiyakun:20160121213002j:plain
f:id:akiyakun:20160121213227j:plain